忍者ブログ

批評

スキルを作る前に その2「能力値変化」

本文なし
 以前のコラム「スキルカード製作のポイント」では、ダメージと同時に相手の能力値へ、ペナルティをかけるスキルを批判した。
 疑問を感じた人が多いはずで、些末は事はともかく、相手の能力を下げられるのだから、それは十分に有効なんじゃないかと。

 そもそも、能力値変化を極力してはいけない理由がある。


  乱高下

 このゲームは能力値の変化による恩恵が大きく、しかも新しい変化が上書きされる。
 敵が「魔法の鎧」をかけて、防御力プラス5のボーナスをつけて戦っている。
 そこにこちらが防御マイナス5をかける技を決めた。

 ひとつ。これはスキルカードの製作者が想定するマイナス5だろうか。
 もうひとつ。シナリオの作者が想定するバランスはプラス5ではなかったか。そこからマイナス10?

 今度はプレイヤーが「魔法の鎧」をかけていることにしよう。
 敵がこちらへ防御マイナス5をかける技を決めてきた。言うまでもなく致命的で、早く魔法をかけなおさないと全滅は必至だ。
 前回話した「持てるカードは選べるが、引いてくるカードは選べない」を覚えているだろうか。

 ちょっと突っ込んだ例を考えてみよう。
 敵のボスは永続召喚獣を持っていて、毎ターン防御力をプラス5にリセットする。
 シナリオのreadmeにはこうかいてある。「防御力を下げる技は有効です」。
 つまりこういうことだ。PCの誰かがまず防御力を下げる技をかけ、ボスが行動するまえにほかのPCが連携して攻撃しなくてはならない行動順もカードもてんで安定しないこのゲームで

 整理しよう。このゲームは能力値の変化による恩恵が大きく、しかも新しい変化が上書きされるうえ、戦闘中にスキルが使えるかどうかは運による
 戦闘イベントによりスキルは本来の効果時間、ペナルティ/ボーナスどおりの数値が出ているかどうかすら怪しい。
 永続召喚獣などで能力値の変化にリセットがかかると、一ターンの間に能力値が乱高下することになる。

 ボスはまだいい。まだ安定するほうだ。能力値をリセットする手段を持たないであろう雑魚はどうか。たとえば敵全体にペナルティ技をかけて想定した戦闘バランスが成立していると?


  "重い行動"

 これらを防ぐには「お互いの能力値変化は尊重する」というルールに行きあたる。
 自分たちの能力値上昇はしても、相手には干渉しない。シナリオ(敵)側も同じだ。
 この例をこまごま説明はしないので、相手の能力に干渉しない戦闘を想像して頂きたい。

 が、それだと相手の能力値に影響を与えるという選択肢そのものを塞いでしまう。
 だから"簡単にかけられない"ようにするべきだ、という落としどころが出てくる。

文章力 番外編」で作った「破鎧の法」を参照して欲しい。
 元になったスキルから大幅に成功率修正値を下げ、マイナス2も入っているのは理由あってのものなのだ。
 渾身の一撃と同じく当てるために前段階が必要な数値であり、ギリギリ普通の魔法使いでも生当てが意識できるバランスがここ。もちろんボスにはまず効かない――前処理の「眠り」もふくめて――前提である。

「お互いの能力値変化は尊重」したい。シナリオ作者は運ゲーによる事故を防げるし、プレイヤーも想定された本来のバランスを理解できるはずだ。

 今回 一例としてアップするスキル郡は作ったはいいものの、かったるくてロクに使わずお蔵入りになったものばかりである。(一枚便利なのもあるけど)
 つまり絶妙なバランスだ。
(公開は終了しました)
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。