なんで番外編?
長いあいだ放置していたため、次に書くことを忘れちゃったよ。
なので、効果が複数あるスキルカードの話を。
以前「
スキルカード製作のポイント」というコラムで「
効果を単純にすることは、実はゲームバランスを語る上でも重要になってくる」という話をした。
どういうことか。
ごく簡単だ。
たとえば、敵カード一枚で表現されるボスキャラクターがいたとする。敵としてはたった一枚だから、どうやっても、
1ターンに自ら選択して切れるカードは一枚ということになる。
さて、ここで
ボスが「パーティひとりの全能力値をマイナス1する」スキルを決めてきたとする。強化は消され、わずかだがペナルティを受けた状態になる。
ここで
PCたちがリューンのスキルしか持っていなかったとして、1ターンで元の状態に戻すには、何人が行動し、何枚切る必要があるだろうか。 この例だと、さして理不尽にも感じないはずだ。ボスは1ターンに一枚しかカードを切れないのだから、
複数の効果で手数を多少増やしても、戦力的には拮抗するだろうことが予測できるためだ。
が、立場をひっくり返してみるとどうだろう。
ボスがリューンのスキルしかもっておらず、こちらが一度に「全能力値をマイナス1」できたら……。一枚で毒や精神異常を回復できたら? 攻撃のついでに「眠」らせてきたら……相手はどうリカバリーするか?
この例もこまごま書かないので、結論をすっ飛ばして書く。
スキルに他のスキルのエフェクトを混ぜるということは、間接的にキャラクターの行動回数を増やしていることになるのだ。
この事実をあらゆるシナリオに当てはめてみると、もうすでに敵も味方も行動回数の過剰なインフレが進んでいることがわかる。
便利なスキルは…… カード作りのポイントとして「
カードが内包するデメリットも考慮する」点がある。
効果がひとつしかない。効果が過剰すぎる。対象が選べない、などなど。
わかりやすい例で言うと「血清の法」。
レベル比5の麻痺&中毒解除なんてのは、ぶっちゃけいくらでも「解体」の余地がある。
効果を落としました。
解毒だけにしました。
そのかわりにレベルを下げて、味方全体にしちゃいますね……「
味方一体にしか効果がない。ほぼ一発で完治するが過剰。適正は精神力&平和」
ちゃんと
カードの特性を考慮して調整できているかどうか。 TRPG時代から二次創作で言われる警句。
「『あっこれ便利だな』
一目でそう感じた技能は、だいたいぶっ壊れてると思っていい」