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批評

スキルを作る前に その3「使用時の能力値変化」

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スキルを作る前に その3「使用時の能力値変化」

本文なし
 これが最後。
 プレイヤーが使用するカードには、選択した際に能力値へ影響を与えるものがある。
 多くの人がそれなりの理由をつけて増減させているが、ひとつ、肝心な点を抑えておきたい。


  "超限定的"

「使用時能力値修正は、カードが手元にあり、かつキャラクターが選択し、しかも相手から狙われている状況でしか機能しない」

 こうやって一言でまとめてみると、新鮮な考察が湧き出てくる人もいるだろう。
 冒険者Aが防御がマイナス10されるスキルカードを切ったとする。敵のボスがレベル比7の単体攻撃を仕掛けてきた。
 冒険者Bが防御がプラス5される攻撃スキルを切った。ダメージは低いが、こちらが受けるダメージも半減できる。
 ボスの攻撃は冒険者Cにかなりのダメージを与えた。

 AとBの能力値修正はどちらも機能していない。バランスの面から見れば、それに付随するカードの効力の増加/低減にもケチがつく。

 これまでこのブログで公開された戦闘のコラムと絡めて考えてみよう。
 冒険者Bのスキルはダメージを削ってまで防御をつける絶対的理由はどこにも見当たらない。典型的なダメダメ複合スキルで、これなら同じレベルでダメージの大きいスキルを使ったほうがよい。
「持てるカードは選べるが、引いてくるカードは選べない」も思いだそう。わざわざこちらが狙われるまでそのカードをキープしておく労力は、割に合うのだろうか。
 そして「最初に覚えた」はず。「暴露」状態では敵がパーティの誰を狙っているかが判る。冒険者Aは狙われていないときにそのカードを切ればただただ出し得で、逆に狙われているなら引っ込めてしまえばいい

 さらに言えば、能力値を増減させられるのはその場に切ったカードばかりではない。魔法による増減もあるし、「所有時能力値修正」だってある。
 いや、そもそも「暴露」で相手の行動がわかればスキルに設定された増減など行動次第でどうにでもなるのではないか?

 こうやって考えてみると、使用時能力値修整は極めて限定的な条件でしか機能しないことがわかる。実際、多少のプラス/マイナスの修正が乗ったカードを状況に関係なく切っている人たちは多いはずだ。
 それは意識していないから、ではなく、無視できるからである。


  右端と左端

 では機能させるにはどうしたらいいだろうか。方法は二つ。
 使用時能力値修正は偶然、相手から狙われていないと機能しない、そもそも機会の限られた修正である。状況とカードが変化し続けるこのゲームでは瑣末な増減が無視されていくのは当然だ。
 ならば瑣末な増減にしなければいい。あらゆるスキル・カードの使用時能力値修正はプラス10・マイナス10から調整を始めたい。
 実際に作ってみればわかるが、仮に防御マイナス10のカードであっても、ちゃんと戦略に組み込むことができる。それも「暴露」を使わずに。
 もちろん、ある程度バクチ要素は強くなるが、だが元々ペナルティをつけるのはそういう理由ではなかったか。
 技能レベル1のカードで防御プラス9の攻撃カードがあってもかまわない。カードは常に回転し、敵から狙われる機会は限られている。だったら数少ない機会を印象付けられる一枚にするべきだ。このカードが明快に強いのはシロウトでもわかるので、本人の抑制や作者からの注釈もしやすい。

 逆に、多少のプラスマイナスを理由にカードの効果を増減させるのはやめるべきだろう。ちょっとのプラス・マイナスは「無視されてしまう」し、先にも書いたがマイナス10でもカードはぜんぜん使える。
 ただ与ダメージが増えたり、あるいは香り付けにしかなってないカードを作らないように。

 もう一つは「ペナルティ」キーコードとの併用である。
「混乱」カードを思い出して欲しい。アレだ。
 この場合には多少の増減も多少は機能する。自動選択された場合、カードを変えることができないためだ。ただし別の増減をつけたり、「暴露」などで行動を読み回復をおいておくなどの行動はできるため、やはりペナルティとしてはやや心もとない。
 例外として「混乱」のような、使用時能力値修正だけを与えるカードなら、増減はいくらでもかまわないだろう。

 カードの公開も最後なので、便利な冒険者用のスキルも同梱している。
 二枚の書き下ろしを除き、どれも実際に使い倒したものだ。
(公開は終了しました)
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