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批評

最初に覚えるべきは・・・・・・

本文なし
 初めてCardwirthをプレイしたとき、最初に「つまずいた」のはどこだろうか。

「ゴブリンの洞窟」をクリアできなかった。
 技能カードがどこに売っているかわからなかった。
 どうやって冒険に出るかわからなかった。


 人によってはこれ以前につまずく人もいるだろう。しかし続ける気を失わなければ、それぞれの方法でこれらの障害を克服していく。
 ただし、このゲームに関して言えば、つまづきっぱなしでもそのまま続けられてしまう一点がある。
 それが戦闘だ。


  最初に必要な「一枚」

 実は(1.20の)スタートパックに入っている二つのシナリオ「交易都市リューン」と「ゴブリンの洞窟」は、何も知らない新参の人たちに「最初に」プレイしてほしくないシナリオの2トップである。
「ゴブリンの洞窟」は内容自体は悪くないが、報酬が高すぎるし、今日まで戦闘に深刻な誤解を与え続けている「賢者の杖」がある。
「交易都市リューン」のスキルはアテになりすぎる。「居合切り」「魔法の矢」「眠りの雲」「癒身の法」は巡ってくれば劇的な効果があるのはすぐわかる。なんとなく「カード交換」を選択するクセがついてしまう。
 ここで「技能」と「賢者の杖」が合わさるとどうなるか? 言わずもがなだろう。

 では、初心者に本当に必要な「最初の一枚」とはなにか? 私は「暴露」だと思う。

 ここからは初心者になったつもりで読んでみてほしい。
 実際に初心者の方が読んでいただいても、もちろんよい。

 キャラクターを6人作ったら、一度「セーブ」して、下のリンク先に沿ってアイテムカードを作ってみよう。

 「暴露」カードの作り方。

 できたら「荷物袋」からアイテムを取り出し、キャラクターに装備させる。
 それだけ持って「ゴブリンの洞窟」をクリアしてみよう。


  一転して別ゲーに

 ゴブリンとの戦闘になったら、先ほど作ったカードを使ってみよう。

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 これは敵のHPやレベルを表示するだけではない。カーソルを合わせれば次のターンの行動もわかるし、クリックすれば冒険者と同じように手札、所持しているアイテムと技能、召還獣までわかる。
 戦闘に戻ろう。さしあたって重要なのが「次のターンの行動」だ。

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 敵が「渾身の一撃を選択」している。この攻撃は「当たりづらい」が「ダメージが大きい」。「適正」も「半緑」だから苦手ではないようだ。
 さて「狙われている冒険者」はどうするべきだろう。"防御"するか、それとも当たらないことを祈って普通に"攻撃"するか?
 まあ「レベルは離れていない」から"見切り"で当たらないだろうが――

 うるさいくらいにカギカッコで情報を強調してみたが、どうだろう、「暴露」されていない状態と比較すると、戦闘が劇的に立体化しているのがわかるはずだ。
 もちろん、初心者のフリをしてくれているベテラン勢はご承知のとおり。
 が、ひとつ違うのは「技能もアイテムも持っていない」ことだ。手持ちのアクションカードだけて乗り切ることになる。


  アクションカードを使って戦う

 アクションカードについてはCardwirthのヘルプに書かれているから、まずは目を通しておきたい。
 簡単ではあるが、ここでは一歩踏み込んだ解説を。

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「攻撃」は最大の配布率を持っているという点に注目したい。おおよそ、どんな状況でも選択できるということだ。いまいちアテにならないと感じていたなら、それは相手の情報が見えていなかったからだ。相手のレベルとHP、互いの適性を比較して選択すれば、有効打を連発できる。
 このカードが得意な冒険者(とプレイヤー)は、目に見えて総火力が上がる。重要なカードだ。

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「会心の一撃」は難しいカードだ。初心者は「攻撃の上位互換」だと考えておけば問題ない。引いたら攻撃のかわりに選択しよう。
 中級者は戦士や盗賊でも適性が合いづらいことに気づいているはずだ。特化型のキャラクターなら「攻撃」のほうがよいこともある。カードの回転率も相まって、端的に言ってしまえば、アテにすべきではない。
 ※このカードが巡ってくることを期待するような状況が既に絶望的である。戦術が組める状況ではないと言うことだ。

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「渾身の一撃」はだれでも使い道がある。当たりづらいが、相手が回避できなければいいわけだ。たとえば眠っていたり、束縛されていたり。得意でなくても火力が出るカードだ。
 筋力と好戦性はいっしょに上がりやすく、戦士系はもちろん、攻撃魔法の得意な魔法使いもそこそこ使える。また自分よりレベルの低い敵なら当たりやすくなることを頭の片隅においておきたい。
 上級者は当たるかどうか、敵と比較すればわかるはずだ。持ち腐れにならないよう積極的に切っていきたい。

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「会心の一撃」に期待するくらいだったら「フェイント」をかけよう。同じくらい当たりやすく、うまいこと「混乱」すれば相手の行動を封じられるうえ、攻撃や魔法も当てやすくなる。
「フェイント」で相手に配られる「混乱」「知力が高く、まじめなキャラクター」ほど効きやすいことをよーく覚えておきたい。
 中級者以上は、まあ、ご存じのとおり。いつものとおりどうぞ(w
 強いて言うなら相手の「カード交換」「盗賊系スキル」「僧侶系スキル」には目を配っておきたい。

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「防御」魔法に対する抵抗力にもボーナスがつくことを忘れないようにしたい。カードの見た目で判断して、このことを知らない人がちょくちょく出てくる。
 特にダメージを与える魔法には非常に有効であることを頭にたたき込んでおく。「防御ボーナス」も「抵抗ボーナス」も両方、効き目があるからだ。もちろん逆に「防御」している相手に攻撃魔法はヨロシクない。
 中級者以降に「防御」の講釈は不要だろう。カードの適性どおり、余裕を持って使うのが基本だ。

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「見切り」は防御と違い、回避できなければ意味がない。相手をよく見ることだ。格上の「渾身の一撃」を食らったら一発でダウンかもしれないが「防御」なら生き残れるかも。
 例外が一撃必殺の技だ。食らったら終わる物理系の技が飛んできたら、一か八か「見切り」に期待するしかない。
 中級者はキャラクターの回避力を知っているはずだ。このカードが苦手なら、選択する機会は多くないだろう。


 さて、「暴露」カード一枚で「ゴブリンの洞窟」をクリアできるだろうか。
 相手の「防御」「見切り」は、こちらに攻撃が来ない。一方的に殴り放題だ。ただし「見切り」の相手に「攻撃」「渾身の一撃」はまず当たらない。
「フェイント」は一体にかけまくれば、ジワジワと手札が「混乱」でいっぱいになる。「混乱」したら一斉に「攻撃」「渾身の一撃」だ。
 ゴブリンシャーマンの魔法には「防御」が有効だから、引いたら使わず手札に抱えておこう。「魔法の矢」「眠りの雲」が来たら「防御」だ。

 どうだろう。技能が無くてもあっさりクリアできるはずだ。


  パワーゲーム

 このように「暴露」と「アクションカード」を使って戦うと、このゲームデザインの基礎がわかる。特に「見切り」「防御」といったカードは、相手の行動が見えないと使えない。「暴露」することによって、本来の意義が見えてくるのだ。
 このカードを手に入れた本当の初心者は、最初の冒険者がレベル10になるまでは持っているべきだ。「賢者の瞳」を買う必要はない。カードが巡ってくるまで「カード交換」するのはハッキリと無駄だから。
 あるいは「賢者の瞳」を引くのをめんどくさがってる中級者以上の方も「アイテムの暴露」を使うべきだ。あらゆる理由を考慮してなお「暴露」を使わず戦うのは無意味だと思うからだ。

「暴露」を使わず、技能を手に入れ、「賢者の杖」を所持した冒険者がどうなるか――このレールはスターターパックだけで敷かれている――「毎ターンスキルカードを切るゲーム」になってしまう。本来のシステムが理解されず埋没してしまうのだ。

 よくある「それぞれの適性にあった攻撃、補助スキル」といったものが上記の認識の延長線に出てきたものであるし、それがまた状況を深刻化させる。残念ながら、何も知らずCardwirthをプレイすると決まってこの状況にハマる。「暴露」は使っても、得意なスキルカードだけを切るのをやめられない。戦士、魔法、僧侶、盗賊系の技能とアクションカードは分けられているのも関わらずだ。

 だから初心者の人たちには、最初の一週目だけでいいからアクションカードと「交易都市リューン」のカードだけで10レベルを目指してみてほしい。「得意なことは何もない」冒険者もいるのだ。戦闘は「暴露」を使ってそこそこ使える技能を駆使し、戦略で勝ちたい。


  攻撃があたらねぇ

 ……と、「暴露」だけで「ゴブリンの洞窟」をクリアした本当の初心者の人たちは感じたかもしれない。そのとおり。これがまた「アクションカード離れ」を加速させるわけだ。
 やはり技能も使って戦ったほうがよい。「交易都市リューン」にスキルを買いに行こう。
 アクションカードとのからみで重要なのは「眠りの雲」「蜘蛛の糸」「縛鎖の法」といった相手の自由を奪う技だ。相手が動けなくなれば攻撃が当たり、パーティの火力も上がるというわけだ。
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