今回は画面に出ていた数字の解説をしたい。
一理ある「召喚獣」の数字 1.28で改変された要素の一つに「召喚獣の表示」がある。
このように数字で表示されるようになった。さて、この改変はどうだろう?
これは、改変前の実例を見てもらうとわかりやすい。
レベル10の冒険者で、アイコンを出せるだけ出してみた。
見てのとおり、冒険者の顔が半分隠れてしまう。
しかしまだまだ序の口。たとえば
レベル35で召喚獣を10体出すと もうお分かりかとおもう
1.28の
召喚数の数字化は、冒険者の顔グラフィックを隠さないために有効なのだ。
ただし、前回話した「徹底した数値の隠蔽」のコンセプトに照らし合わせるなら、数字は避けた方がよい、というのもまた事実。
ならば
「極力アイコンを増やさず、数字を使わずに表す」方法を考えるべきだ、という事が導き出される。
たとえば「色分け」。
冒険者は基本的にレベル10が上限となっている。持てる召喚獣の数は「3つ」。
キリのいい数字だ。元のアイコンが緑(青)なので「
信号機」にしてみよう。
召喚数1体が「緑」。2体と3体は……判るはずだ。
これは日常でも非常に馴染みのある組み合わせで、すぐに覚える事が出来る。一度見ただけで察する人もいるかもしれない。
実際に合成してみると
どうだろう、レベル15で5体召喚してもアイコンの数は2つで済む。
総括としては、この1.28の改変、数値隠蔽の意識がなかった事を除けば的確な改変の部類だと思う。ちゃんと理由があって機能しているからだ。
「SP」を表示する理由 召喚獣の疑問と問題は解決した。
SPに移ろう。
SPは特別だ。数値隠蔽のコンセプトをあえて曲げてまで画面上に表示され続けている。
もちろんASKには
「そうしなければならない」理由があったはずで、これを推察してみよう。
まず第一の理由として、SPは冒険中にも使用する。
買ったり売ったり、拾ったりなくしたり……シナリオ中に頻繁に変化する数字なわけだ。
第二の理由として、SPは冒険者の財産であるという事。
冒険の報酬で最もポピュラーなのはSPだ。SPは成功の度合いの一つであり、時にはシナリオの展開にも左右する力となる。これが何らかの理由で増減するのは一つのイベントと言ってよい……つまり極めて重要だ。
第三の理由として、SPは数字以外で表現しづらいという事。
そもそもSPは十種のアラビア数字と言う「記号」を使い、それを十進法で十万単位まで扱っている。
仮に0から9まで色なりマークなり当てはめてSPを表現してみよう……わかりやすいだろうか?
ここまで踏まえたうえで、一例。
手持ちに1.000SPある。依頼人から薬を買うために渡されたお金で、余った分は小遣いとして貰っていい、という。
薬を5本かき集める。128SP、155SP、136SP、171SP、147SP。途中で情報屋に50SP払い、道で7SP拾った。20SPの昼食を済ませた後にふと買った薬の袋を確認すると……ない!
どうやら置き引きにあってしまったようだ。やむなく情報屋に駆け込むと、盗賊ギルドが200SPで話を付けてくれるという。
さて、冒険者は依頼を達成できるか?
SPの表示を見ずにぱっと答えられるだろうか。 どうしてGroupAskがSPの表示をしているか、わかってきたと思う。
まとめる
と「SPはシナリオ中に頻繁に変化する可能性がある、数字以外で表現できない重要なパラメーター」だから特例が許されているわけだ。
実を言ってしまうと、SPを不都合なく隠してしまう方法はある。
エディタに「SP表示」「SP隠蔽」というコンテントを追加すればよい。あるいは、オプションのボタン類の脇にあるので「SP表示ボタン」でもいい。
上記の機能とは分けて、プレイヤーはフィールドで右クリック(荷物袋の画面)の時だけ確認できるようにすればいいだろう。
以上で「私家版の心得」は終了とする。
いかがだったろうか。数字という、あまりに当たり前に使っている要素をあえて隠そうと試みた時、単純な方法で隠せる部分もあり、どうしても妥協せざるを得ない部分もあり……
作り手の創意と判断が見えてこないだろうか。 まず作り手の意図を理解しないと、誤った改変をしてしまう可能性がある。二次創作者は肝に銘じるべきだ。
おまけ。
SPは「シナリオ中に頻繁に変化する可能性がある、数字以外で表現できない重要なパラメーター」だから特例が許されていると書いた。
実はSP以外にも、この条件を満たした、しかし表に表示されていないパラメーターが存在するのだが、これは何だろうか?
ある私家版では実装されている。私もこの改変は支持したい。