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批評

信用商売

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信用商売

本文なし
「冒険者はグレーゾーン」。確かにその通り。
 以前、仲間うちで盛り上がった談義をベースに、ちょっと想像をたくましくしてみよう。

 ○○亭の冒険者が「ゴブリンの洞窟」から逃げ帰ってきた。宿の亭主は「帰ってきちまったもんはしょうがない」という。
 これでまるく収まるのは冒険者がヒーローだからに他ならない。
 考えてみよう。逃げ帰ってきた、という噂はあっという間に広がる。〇〇亭の冒険者はいざ仕事の段階で腰砕けになる。そんな悪評がこれから先、ついて回る。
 もっと致命的なのが○○亭だ。そんな冒険者にわざわざ部屋を貸し、依頼を受けさせる宿の亭主の眼力は全く信用できない。張り紙は別の、もっとスマートに事をこなす宿屋に流れるだろう。

 別の風評も考えられる。
「あそこの冒険者はカネ次第でなんでもやる。ちんぴらだよアレは」
「依頼そっちのけで仲間うちの主張を通そうとするだと? 大事な仕事は任せるな」
「主義主張を個人でいつでも変えられるから自由業? 信用ならんな。まあ使いつぶすならいいか」

 盗賊ギルドは犯罪の推進のために存在しているわけではない。社会との調整弁、それもブレーキ寄りだ。
「余所者に街の情報を売る連中? だから有力者に組織ごと圧殺されたのか」

 グレーでいられるのは「特別」だから。
 覚えておくと想像のリアリティが増す。
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