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批評

「周囲を捜索する」

本文なし
ダンジョン物をプレイしていると、よく見かけるのが「周囲を捜索する」というカードだ。
これは文字通り、周囲を捜索して危険物を探す、という、PCの能動的なコマンドである。
実際に、TRPGでもよく知られている……初心者GMにありがちなミスとして有名なのだ。
褒められた方法ではない、ということになる。

ちょっと考えればわかるはずだ。このシステムをTRPGに当てはめると

前に進む → 捜索する? → する → 周囲を捜索した、何もなかったよ

一歩進むたび、こんなやり取りをしていたら、いくら時間があっても足りないだろう。
何より、テンポが著しく悪くなる。旅の目的なんて、最初の10分で忘れてしまうはずだ。
「賢者の選択」を思い出してほしい、はたして、このコマンドはあっただろうか?

基本、冒険者はダンジョンに入ったら、周囲に気を配っているはず・・・・・という認識を、まずしっかり持とう。

さて、ここで初心者GMが困るのは、「どうやってトラップにかければ良いか」ということだと思う。
いくつか方法があるが、大きく分けて二つ。

1・GMから罠の存在を示唆する。
2・捜索に回数制限をつける。

1番はよく使われている。トラップのあるエリアに入ったら、GMからプレイヤーに働きかけるわけだ。
直接、言葉で罠の存在を匂わせてもいいし、盗賊の代わりにGMがロールしてもよい。
以前に「罠を重要なイベントとして考える」と書いたが、まさしくイベントにしてしまう訳だ。
Cardwirthでいうなら、トラップをイベントにするか、捜索ロールを自動化するか、このどちらかだろう。

2番は逆に「周囲を捜索する」コマンドを使うタイプだ。ただし、捜索できる回数に限度をつける。
理由としては「時間の余裕がない」がベターで、なんにでも使える。
こうなると、シラミつぶしの捜索は不可能になるから、トラップのありそうな場所に「アタリ」をつけなくてはならない。
さらに言うなら、トラップの配置図、なんかがあったら、ぜひとも欲しくなるのではないだろうか。


プレイアビリティというのは、細かな配慮の積みかさねで得られるものだ。
これでいいや、ではなく、ほんの少しでも、自分の作品を「誤解なく受け取ってもらう」ために、創作の方法論がある。
妥協したら最後、坂から滑り落ちるように、作品の求心力は落ちてしまうだろう。



いまだに多くの方が「捜索」カードをメニューに用意し、移動のたびにクリックを強いている。
手法の是非というより、作り手の考えがない、というのが問題。
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